1時間早く夜間規制 三太郎線、日没合わせ変更 利用適正化連絡会議 奄美市住用町

2022年03月03日

世界自然遺産

三太郎線の夜間車両規制の運用方法を協議した関係者ら=2日、奄美市住用町

奄美市住用町の市道三太郎線周辺に関する夜間利用適正化連絡会議の会合が2日、同町の奄美市住用総合支所であった。オンラインを含め官民の関係者約40人が出席。夜間に野生生物を観察するナイトツアーの増加に伴う車両通行規制について、一部期間を除いて、日没に合わせ開始時間を1時間早めることなど運用時間の変更を決めた。

 

三太郎線周辺はナイトツアーの人気スポット。通行規制はアマミノクロウサギなど希少動物の交通事故や、車両の追い越しなどをめぐるトラブルの防止を目的に昨年10月に試行が始まった。環境省など官民の関係機関でつくる夜間利用適正化連絡会議が2回の実証実験を経て、夜間は1時間4台とする車両台数制限や、予約制などを導入した。

 

現行の規制時間帯は10~3月が午後6時から翌朝6時、4~9月が午後7時から翌朝5時。10月の運用開始後、日没時刻が午後6時より早く、規制前に通行する車両もみられたため、日没、日の出時刻に合わせて運用時間を見直した。3、6、7月を除いて開始時間を1時間早く、終了時間を1時間遅らせる。

 

変更後の規制時間帯は10~2月が午後5時~翌朝7時、3~5月と8・9月が午後6時~翌朝6時、6・7月が午後7時~翌朝5時。適用は6月1日から。実際に運用時間が変わるのは8月からとなる。

 

三太郎線出入り口に3月下旬、奄美市が予約車両を判別する監視カメラを設置する。予約のない違反者への対応について質問があり、市と環境省の担当者は「(規制は)自主ルールで法的罰則はない」「悪質な場合は個別の対応が必要」と説明した。

 

1月16日未明に奄美群島に発令された津波警報について、地元住民から「三太郎線に20台くらい避難した。(時速)10キロ以下という速度制限もあるが、どうなるのか」という声があり、環境省の担当者は「災害などの緊急時は人命優先。避難を優先して」と述べた。