ススキで払い成長祈願 赤飯乗せ「フデーリヨ」 伝統儀式シチャミ 喜界町塩道
2018年09月13日
芸能・文化
喜界町で12日朝、子どもの成長を祈願する「シチャミ」があった。旧暦8月初丁(ひのと)の日に行われる喜界島の伝統儀式。塩道集落の大塚菅子さん(85)宅では、菅子さんがひ孫の翔生(とき)君(8)と心翔(こと)ちゃん(2)の頭に赤飯を乗せ、「フデーリヨ(大きくなれよ)」と唱えながら、水をつけたススキ葉で頭を3回なでた。
塩道集落では数え10歳までを対象に行われる。第一子の時は赤飯を配ってみんなで祝う。頭をなでたススキ葉は結んで軒先に挿す。
翔生君と心翔ちゃんの母・咲也香さんは「子どもたちの健康を願ってやっている。私も母や祖母にやってもらった。引き継いでいきたい風習」と語った。
喜界島の旧暦8月初丁は奄美大島の旧暦8月初丙(ひのえ)の「アラセツ」に相当し、かつては農耕儀礼や祖霊祭など8月行事の始め日だった。シチャミ(シチアミ、シチともいう)も一連の行事の一つとして島内で広く見られたが、行う家庭は年々少なくなっている。