朝崎さん「哀史奄美」語り歌う 作者の古里で初披露 ルーツトゥルーツin沖永良部島
2023年04月26日
芸能・文化
奄美群島日本復帰70周年を記念した音楽イベント「ルーツトゥルーツフェスタin沖永良部島」(ゆめ企画、アイランドミックス主催)は23日、知名町のおきえらぶ文化ホールあしびの郷・ちなであった。瀬戸内町加計呂麻島出身の唄者朝崎郁恵さんが出演。和泊町出身の音楽家、故・宗鳳悦さんが創作し、朝崎さんに託した戯曲「哀史奄美」を沖永良部島で初披露し、多くの観客を魅了した。
「哀史奄美」は奄美が薩摩藩の圧政に苦しむ時代を描いた作品で、語りと唄で構成する。タナカアツシさんによる哀愁を帯びた三味線の音色が流れる中、朝崎さんは約25分にわたる同作品を語り、歌い聴かせた。
「哀史奄美」の上演後、進行役として出演した宗さんの孫に当たるラジオパーソナリティー柴田聡さんは、自身と祖父、朝崎さんのつながりを説明し、「祖父もこの会場のどこかで聞いていると思う」と感慨深げ。朝崎さんは「やっとここ(沖永良部島)で哀史奄美をお話しでき、島の方に聞いてもらえたことがとてもうれしい。先生(宗さん)との約束を果たせた」とほっとした様子だった。
「千鳥浜」「あはがり」「行きゅんにゃ加那」「イトゥ」など島唄の披露もあった。
前半は和泊町の民芸品店「あがり庵」のきものサロンによる「つむぎDeつむぐきものショー」で開幕。生後9カ月から96歳まで老若男女34人が紬の着物、洋服を着て舞台を歩き、その魅力をアピールした。地元バンド「バンシローズ」による演奏もあった。