技術継承のため、記録も 古くなった道具作り直し 上平川大蛇踊り保存会

2022年08月26日

芸能・文化

大蛇の骨組みを作る保存会のメンバー=24日、知名町上平川

知名町の上平川大蛇踊り保存会(西村兼武会長、会員約60人)が、老朽化した大蛇や大蛇の保管籠を作り直す作業を進めている。大蛇は2013~14年ごろ、大蛇の保管籠は1997~98年ごろ以来の作り直しで、これらの道具作りの技術継承、記録も目的としている。

 

上平川大蛇踊りは県指定無形民俗文化財。一貫した筋書きをもった劇仕立てとなっており、全長9メートル余りの大蛇が空中高く乱舞する場面が見せ場の一つとなっている。保存会によると、以前は踊りをするたびに道具すべてを集落総出で作り、終われば焼却していたが、現在は大事に使用し、できるだけ保存するようにしている。

 

今回の作り直し作業には県の補助事業を活用し、材料の竹は約60本用意した。今月6日から土日や平日の夕方に会員10人前後が公民館に集まり作業。保管籠作りは色付けを残してこれまでに終了しており、24日は大蛇胴体の骨組み作りに取り組んだ。細く裂いた竹を編み込んだ直径13~26センチの輪を約10センチ間隔で並べ、ひもで固定していった。

 

今後は大蛇の骨組みにさらしを巻き、その上に和紙を貼り、色付けする。大蛇の頭作りには、沖縄県今帰仁村の個人から提供してもらったデイゴを使う。

 

西村会長(73)は「ほとんどの会員が道具作りに関わるのは初めて。踊りだけでなく、道具作りの技術継承も課題で、今回はその過程を記録に残している。次回作り直すときのため、図面も分かりやすく書き直したい」と話した。