景観遺産写真展始まる 「奄美らしさ」を共有 奄美博物館

2025年05月02日

芸能・文化

「奄美らしい」景観や風景の写真が並ぶ奄美景観遺産写真展=1日、奄美市名瀬

奄美の景色や風景を写真で共有する奄美景観遺産写真展が1日、奄美市名瀬の奄美博物館3階企画展示室で始まった。動植物や海、空、まち並み、家、食べ物、トンネル、人など被写体はさまざま。撮影者独自の視点で捉えた「奄美らしさ」を表した写真129点が並ぶ。7月13日まで。

 

奄美博物館と駒沢大学の共催。「奄美景観遺産」を提唱する同大文学部地理学科の須山聡教授と同博物館が合同で「景観遺産への理解を深めてもらおう」と、島民参加型として企画した。

 

写真は2023年以降に、奄美大島5市町村(加計呂麻、請・与路島含む)で撮影したもの。2月1日から募集し、これまでに応募のあった写真を市町村別に分けて展示している。

 

写真展で位置付ける「奄美らしい景観」とは①島の自然環境や地域の特性を表す②島の暮らしや文化が分かる③大切にしたい、残していきたい④いろいろな思い出が詰まっている―などの景色や風景。

 

須山教授は「日常の景観は、ごくありふれたものに捉えられがちだが、それができるまでには膨大な年月がかかり、そこにはいろいろな人の営みがある。そうしたものの結晶として表れたのが『今の景観』。見方によって景観の奥に潜む地域のさまざまな秘密が読み解ける。企画展を通じ、そうしたものを読み解く技を身に付けてもらえたら」と語った。

 

奄美博物館の喜友名正弥学芸員は「きれいな海や山などの美しい写真もあるが、それ以外にも撮影者の皆さんが日ごろ、大事に感じている風景や景色の写真を展示している。企画展を通じてそれらを共有し、身の回りにあるものを改めて見つめ直す。そんな機会になれば」と話した。

 

現在も応募写真を受け付けており、展示写真は随時、更新予定。専用のQRコードなどから応募できる。

 

博物館の開館時間は午前9時~午後5時。写真展期間中は5月19日と6月16日が休館日。入館料は一般310円、高校・大学生150円、小・中学生100円、未就学児以下無料。問い合わせは電話0997(54)1210奄美博物館へ。