奄美の自然や文化学ぶ 子ども博物学士講座開講 龍郷町

2025年05月25日

子ども・教育

 

藍染めした自分の作品を酢酸に漬ける参加者=24日、龍郷町のりゅうがく館

2025年度の龍郷町子ども博物学士講座の開講式が24日、同町のりゅうがく館であった。約100人の親子が開講式と初回講座の「藍染め」に参加。来年2月の閉講までに全7回ある講座を通して、奄美の自然や文化、伝統について学ぶ。

 

同講座は05年に始まり、奄美大島と徳之島にしかいないアマミノクロウサギなどの生き物やショチョガマ、八月踊り、大島紬、島唄といった文化・伝統をテーマに、毎年開いて今年で21年目。

 

開講式では碇山和宏教育長が「興味を持ち、自分で調べたことを自由研究で発表したいと思ってもらえたらうれしい」とあいさつ。初回講座に先立ち、前年度の講座受講生3組が学んだことを参加者の前で発表した。

 

この日の講座は藍染め体験。県立奄美少年自然の家から講師3人を招き「パイナップル絞り」「棒絞り」に挑戦した。パイナップル絞りはビニールテープを布に巻き付け、棒絞りは割り箸に布を巻き付けることで藍に染まらない部分を作り、それが白く模様になる。

 

講師を務めた元山智徳さんは「絞った箇所が白く、それ以外は藍で染まる。きつく絞るときれいな模様になる」などとアドバイス。子どもたちは白い布に思い思いの絞りを巻き付けた。

 

染める工程は真水に漬けた後、「藍液に15分ほど漬ける」「空気に触れさせて発色させる」「水で洗う」「酢酸で色を定着させる」などを経てそれぞれの作品が完成した。

 

体験した西睦生さん(大勝小5年)は「藍染めの工程の量に驚いた。出来上がりは想像した通り」。中﨑千尋さん(同)は「めちゃ疲れた。思った通りには染まらなかった」と感想。保護者の中﨑愛子さん(44)は「初めての体験で全く出来上がりの想像がつかなかった。子どもたちといろいろ工夫しながら楽しくできた」と話した。

 

今年度の残りの講座は▽クロウサギを見に行こう!▽防災週間に防災習慣を▽とおしめを知ろう!▽サシバについて▽秋名地区 山から海への水辺生態系について▽閉講式・研究発表―が予定されている。