アユたくさんいたよ 住用小児童が観察学習 奄美市住用町の役勝川

2022年07月10日

子ども・教育

リュウキュウアユを観察する児童ら=9日、奄美市住用町の役勝川

奄美市住用町の住用小学校(山美奈子校長、児童18人)の児童らは9日、世界自然遺産地域となっている同町の役勝川で絶滅危惧種のリュウキュウアユの観察学習を行った。川と海を行き来して暮らす生態に理解を深め、水の中を元気に泳ぎ回る姿に歓声を上げた。

 

同校は環境教育の一環で、2006年からリュウキュウアユの保護活動に取り組んでいる。アユの観察会や産卵環境の整備などを続け、21年度に「愛鳥週間・野生生物保護功労者表彰」(環境省など主催)で文部科学大臣賞を受賞した。

 

観察学習には全校児童が参加した。奄美リュウキュウアユ保全研究会の又野峰誓さん(43)が講師を務め、世界自然遺産に登録された奄美の自然環境やアユの生態などについて校内で説明を受けた後、バスで学校近くの役勝川中流域に移動した。

 

児童らは水中メガネを着けて川の中をのぞき、泳いでいるアユの姿を確認。川にすんでいるハゼやテナガエビ、貝などさまざまな生き物を見つけて観察を楽しんだ。

 

6年生の泉彩羽さん(12)は「アユをたくさん見られた。毎年見ていると、小さいアユしかいないときがあるので心配。世界遺産になった奄美の自然が、今よりももっときれいになればいいと思う」と話した。

 

リュウキュウアユはかつては沖縄本島にも生息していたが、現在は奄美大島だけに天然の個体が残っている。赤土流出などで減少し、環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠA類。県は条例で希少種に指定して保護している。

リュウキュウアユ