伊仙町のコーヒー園で作業 静岡の高校生ら

2022年03月27日

子ども・教育

コーヒーの木に肥料を与える作業を体験する生徒=24日、伊仙町面縄

静岡県の高校生と教諭が徳之島を訪れ、23、24の両日、伊仙町のコーヒー園で研修を行った。農作業や生産者との交流などでコーヒーができるまでの過程や苦労を学び、生産者が正当な対価を受け取れる経済の在り方を考えた。

 

来島したのは静岡県立浜松湖東高校2年生の生徒10人と引率教諭2人で、発展途上国でつくられる農作物などを適正価格で継続的に取引して生産者の生活を維持する「フェアトレード」について学ぶカリキュラムの一環。当初は海外での研修を予定していたが、新型コロナウイルスの影響を受け、研修先を徳之島に変更した。

 

生徒らは、町内にある生産者の農場や伊仙町と企業が協力してコーヒーを生産しているほ場を見学し、徳之島コーヒー生産者会(吉玉誠一会長)の指導を受け追肥などを体験した。ウエルタ・ナタリさん(17)は「日差しが強くて暑い上に、中腰の作業が多くてきつかった」と感想を話し、「コーヒーが飲めるまでにどれだけ手間がかかっているか分かった。生産者の苦労に対し、ちゃんと対価が支払われているかを考えるきっかけになった」と語った。

 

農園を案内したコーヒー生産者の泉延吉さん(73)=同町面縄=は「静岡の高校生が徳之島のコーヒーに興味を抱いたというだけで驚きだが、国際的な問題の研究のためと聞いてさらに驚いた」と話し、「しっかりテーマを持ち、事前に勉強している姿勢に感心した。体験を通して物事を深く考えられる大人になってほしい」と期待した。