みんなの診療所が「優秀作品」 建築九州賞

2022年03月27日

地域

一般建築部門で作品賞を受賞した龍郷町の「みんなの診療所」(提供写真、撮影・石井紀久)

日本建築学会九州支部(堀賀貴支部長)が主催する第15回「建築九州賞(作品賞)」の選考結果がこのほど発表され、龍郷町中勝に2020年に開所した「みんなの診療所」が一般建築部門の作品賞に輝いた。

 

同賞は九州地方の建築水準の発展を目的に2007年からスタート。過去5年間に九州地方に建設された建築作品を対象に審査する。今年は計88作品(住宅部門30、一般建築部門58)の応募があった。

 

応募作品は①場所性と環境を反映した建築提案②時代性を踏まえた表現力③技術力④地域貢献・文化度│を基準に審査。3回の選考過程を経て計5作品が「優秀作品」として作品賞を受賞した。

 

みんなの診療所は、松山建築設計室(本社・福岡県、松山将勝代表)が設計。室内を大きな屋根で包み込み、強い日差しや雨が多い島の気候に対応する建築形式にこだわった。奄美市笠利町出身の松山代表は「故郷で設計活動を始めて15年。島の施工チームと切磋琢磨しながら共に歩んできた。九州で最も権威ある建築賞を受賞し大変うれしい」と喜んだ。

 

施工は奄美市名瀬に本社がある政建設(政和豊代表)が担当。政代表は「繊細な仕事が多く難しかったが、たくさんの職人や事業者の協力で完成させた。携わった人たちのチームワークと努力によって良い建築ができた」と話した。

 

表彰式は5月に開かれる日本建築学会九州支部通常総会で行われる。受賞5作品を含む選考対象の38作品は記録誌「九州建築選2021」に掲載され、各県市町村や公立図書館などに配布される。