大島高が優秀賞 2チームが最終審査でプレゼン SDGs Questみらい甲子園県大会

2024年03月12日

子ども・教育

ファイナルセレモニーで発表する大島高の「Hana2―Real.」=10日、鹿児島市

「SDGs Questみらい甲子園鹿児島県大会」(同実行委員会主催)のファイナルセレモニーが10日、鹿児島市の鹿児島銀行本店別館ビルであった。最終審査に臨んだ高校生たちがSDGs(持続可能な開発目標)に関するアイデアを発表。世代間交流と環境保全活動を組み合わせて健康増進につなげる取り組みを紹介した県立大島高校(奄美市)の生徒4人組「Hana2―Real.」が優秀賞に輝いた。

 

みらい甲子園は高校生が主体的にSDGsを探求し、さまざまなアクションアイデアを創出・発表・表彰する大会。2023年度は全国19エリアで開催された。

 

鹿児島県大会は昨年度に続き2度目の開催で、64チーム230人が応募した。1、2次審査を経てファイナルに進んだ12チームのうち2チームは大島高。同校からは2大会連続のファイナル進出となった。

 

「Hana2―Real.」のメンバーは2年生の文みらいさん、福﨑心結さん、里彬良さん、安田瑠夏さん。奄美大島は長寿の島と呼ばれる一方、実際は島に住む多くの人が健康面で課題を抱えていることから、探求テーマを「高校生が主体となり世代間交流を目的としたイベントを開くことで島民の健康と奄美の環境を守ること」に設定した。

 

事前調査を踏まえ、ビーチクリーンで回収したごみを使ったアート制作のイベントを企画。手先を使った作業で健康増進が図られるだけでなく、新たな交流の形が生まれたり、環境保全への意識が高まったりするなどの効果がみられた。4人は高校生が子どもと大人の両世代をつなぐ「架け橋」の役割を担うことができるとまとめ、「高校生が主体となって活動することの利点を最大限に生かすことで、奄美の課題をより多くの人に認知してもらえる」と強調した。

「コンソメパンチ」の生徒たち=10日、鹿児島市

福﨑さんは「賞を頂きうれしい。1年後には卒業して島を離れる。SDGsの取り組みを続けて島の人たちに恩返しがしたい」と話した。

 

同校からファイナルに進んだもう1チームは2年生の吉田柚月さんと髙野日向さんで結成した「コンソメパンチ」。農家が希望価格で農作物を販売できる「奄美版フェアトレード」の導入を提案し、認証マークを作成して消費者が商品券と交換できるポイント制度を設けることで「農業人口減少への対策や地域共生社会の形成につながる」と発表した。