ストリートピアノで追悼 3・11犠牲者へ鎮魂の祈り 奄美市

2024年03月12日

地域

ストリートピアノの調べに乗せて祈りをささげる参加者ら=11日、奄美市

東日本大震災から13年の11日、追悼セレモニー「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」が県内9カ所含む全国12道府県22会場で開かれた。奄美会場のAiAiひろば(奄美市名瀬)には、地域住民ら約50人が集い、鎮魂と復興への祈りをピアノの調べに乗せた。

 

〝誰でも弾ける〟ストリートピアノが日本で誕生したのは鹿児島中央駅の一番街商店街とされる。同セレモニーは、2012年、被災地への祈りと防災意識を高めることを目的に始まった。奄美大島は15年から参加しており、コロナ禍の1年を除き、今年で8回目。

 

会場では、地震発生時刻の午後2時46分に黙とうがささげられ、地元の女声合唱団「クール・ド・ナチュール」(保禮子代表)がストリートピアノの伴奏に合わせ、復興支援ソング「花は咲く」や童謡「ふるさと」を歌い上げた。

 

セレモニー後には、能登半島地震の被災地やロシアによる軍事侵攻が続くウクライナを励ますための応援歌7曲も披露された。奄美会場の実行委員会会長を務める保宜夫さん(82)は「有事の時には『助け合い』が大切。祈りの心だけでも音楽に乗って届けばと願う」と話した。

 

幼子を抱えて歌声に聞き入っていた奄美市の島川友里可さん(33)は「災害対策などあまり考えた事はなかったが、子がまだ小さく、セレモニーを機に関心を深めた」と話した。