島唄の調べで田植え 阿室小中 生きもの調査、文化体感

2023年04月09日

子ども・教育

島唄を聴きながら田植えに励む阿室小中の児童生徒と集落住民ら=8日、宇検村

宇検村の阿室小中学校(中村正治校長、児童生徒19人)の校内にある田んぼで8日、田植えがあった。児童生徒17人と教職員、阿室集落の老人会、保護者ら約50人が参加。島唄鑑賞と田んぼの生き物調査も同時開催され、子どもたちは奄美の豊かな自然と文化を目いっぱい体感した。

 

同校の稲作活動は今年で24年目。米の栽培方法を学ぶことで食に対する理解を深め、田んぼを取り巻く生態系などへの理解を深めることが目的。島唄を鑑賞しながらの田植えは今年初の試みとなった。

 

この日は、田植え前に同校教員らが仕事歌「イトゥ」の由来や歌詞を紹介。「ハーラーヘイヨーホー」の部分を歌う練習をした後、阿室在住の後藤恭子さんに苗の植え方を教わりながら、横一列に並んで田植えに挑戦した。田植えの風景と島唄の調べが重なると、参加者から感嘆の声が漏れた。

 

生き物調査は、奄美自然環境研究センターの山室一樹さんと後藤義仁さんが担当。子どもたちは田んぼにいた3種のオタマジャクシの見分け方や水草の種類を学んだり、シリケンイモリを観察したりして生態系に対する理解を深めた。

 

小学2年生の保岡心瑛(こころ)君は「シリケンイモリを捕まえられた!」と大喜び。

初めて田植え体験したという中学2年生の上原詩夏(しいか)さんは「お米を作る大変さを知り、食事のありがたさを感じた」と振り返り、「小さな田んぼの中にたくさんの生き物がいることに驚いた」と語った。

 

育った稲は、7月に収穫し、8月に脱穀、12月に餅つきを予定。約30キロの収穫を見込んでいる。