教師陣の奮闘つづる 「初代校長の足跡」復刻版発行 伊津部小へ寄贈

2023年10月12日

子ども・教育

中島清昌校長に書籍の復刻版を手渡す南郷丈志さん(中央)と同行した生野千織さん(右)=11日、奄美市名瀬

学校開設時の様子を元教師が記録した書籍「名瀬市立伊津部小学校初代校長 南郷光良の足跡」がこのほど復刻され、11日に奄美市名瀬の伊津部小学校に20冊寄贈された。中島清昌校長は「先輩方の思いを引き継いでいきたいと思える内容。図書室に設置し、児童や保護者、地域の方々にも読んでもらえれば」と感謝した。

 

書籍は、伊津部小が1959年に開校した当初から同校で勤務していた宇崎太利氏が2009年にまとめ、初代校長・故南郷光良氏の妻・故シゲ子さんに贈ったもの。故南郷氏の三男で東京都在住の脩史さん(75)が2年前、奄美市名瀬の実家で保管されていた同書を見つけた。著者の宇崎氏とは連絡が途絶えていたものの、「新設校で新しい試みをした優秀な先生方がいたという記録を残したい」と今年6月に復刻版の発行に踏み切った。

 

内容は学校経営を軌道に乗せようと奮闘した故南郷氏と教師陣の功績や関係者の寄稿文。冒頭では、学校の新設が決まった経緯や保護者らによる反対運動など、開校までの流れを解説。器楽合奏団「さざなみバンド」の結成や道徳教育の推進など特色のある活動も記されている。

 

11日は、脩史さんの代わりに弟の丈志さん(73)=大和村大和浜=が学校を訪れ、書籍を中島校長に手渡した。当時、新任教師として働いていた生野千織さん(旧姓・橋口)=奄美市名瀬=も同行。「本を読んで当時を思い出した。南郷校長が指導法を手取り足取り教えてくれて、まるで親のように感じていた」と懐かしそうに語った。

復刻された書籍

復刻版は約200部発行。一部は奄美市名瀬の楠田書店で定価1000円で販売する。

 

書籍に関する問い合わせ先は電話03(3268)8411ラトックスシステムエンジニアリング。