正月料理「三献」を学ぶ 「一の膳」などに挑戦 1年生11人が郷土食調理実習 大和中

2022年12月13日

子ども・教育

「まほろば生活研究グループ」の講師に調理法や食文化を教わる生徒ら=9日、大和中

大和村立大和中学校(抜水茂樹校長、生徒31人)で9日、総合的な学習の時間に「郷土の食に関する調理実習」として、三献作りを行った。旬の地場農産物の加工・販売を行う同村のまほろば生活研究グループ(泉美保子代表)から7人を講師に招き、1年生11人が島料理作りに挑戦。地域の食文化への理解を深めた。

 

三献は正月や祝いの席で行われる奄美の伝統儀式。赤椀のお吸い物に餅など奇数のわんだね(具)が入った「一の膳」、魚の刺身などを盛った「二の膳」、黒椀のお吸い物に魚の切り身や豚肉などが入った「三の膳」から成るが、各地区や家庭によって具材や味付けは異なる。

 

この日の献立は海老や餅など七つの具が入った「一の膳」のお吸い物。旬の野菜ハーヤマン(赤山芋)入りごはんと、デザートにサツマイモの芋餅にも挑戦した。生徒たちは講師の指導を受け、慣れない手つきながらも丁寧に調理。同村名音のシイタケや奄美市名瀬のかつお節など地元食材もたっぷり使用し、香りも味も見事な一の膳が完成した。

 

調理後は講師らと共に試食。実習を終えた脇田勇心さん(13)は「毎年おばあちゃんが作ってくれる三献とは具も味も違う。自分で作るのは初めてで大変だったけれど、おいしくできてよかった。家でも作ってみたい」と笑顔で話した。講師の政德代さん(70)は「奄美には素晴らしい食材がたくさん。土地の食材を大切にし、季節とつながる島の行事にも心を向けてほしい」と語った。