特別支援教育充実へ 奄美からも現状報告 離島ミーティングが会見 鹿児島市で

2024年04月27日

子ども・教育

特別支援教育の現状や課題が報告された離島ミーティングの会見=26日、鹿児島市

【鹿児島総局】障がいのある子どもの保護者や教育、医療、福祉分野などの関係者で構成し、離島の特別支援教育充実を目指すプロジェクトチーム「離島にこそINCLUSIVE(あたりまえの)教育を!ミーティング」(略称・離島ミーティング)が26日、鹿児島市の県政記者クラブで会見し、各島の現状や課題を報告した。オンラインで結んだ奄美群島のメンバーからは「障がいのために子どもが島を出ざるを得ない状況がある」などとして、特別支援教育を取り巻く環境の改善を求める声があった。

 

離島ミーティングは全国障害者問題研究会鹿児島支部の呼び掛けで2022年5月に結成。交流会の開催などを通して情報共有し連携を深めてきた。これまでの活動を踏まえこのほど、各島メンバーの思いや提言をまとめた県民向けの「鹿児島の離島からの提起2024」を作成。離島にある高校への特別支援学級・通級指導教室の設置や、医療的ケア児やその家族への支援に関することなど13項目を課題として列挙し、3月には県教育委員会に提出した。

 

会見では徳之島、与論島、屋久島の保護者や学校関係者らとオンラインでつなぎ、各島のメンバーが具体的な事例を紹介しながら、それぞれの島で抱える課題や必要な支援について訴えた。

 

離島ミーティングでは5月19日に第3回の「離島の特別支援教育を語りつながる大交流会」をオンラインで開催予定。事務局の西園健三さん(63)は「離島の特別支援教育が注目されるようになってきている。さらなる充実に向け、県全体の問題として支援の在り方を考えていきたい」と話した。