生き物通して沖縄と交流 児童らが図鑑作り体験 奄美博物館

2024年03月10日

子ども・教育

図鑑作りワークショップでヤンバルクイナの特徴を学ぶ児童=9日、奄美市名瀬の市立奄美博物

奄美市名瀬の市立奄美博物館と沖縄県沖縄市の公益財団法人沖縄こどもの国は9日、「琉球のいきもの図鑑作りワークショップ」を開いた。奄美と沖縄の2会場をオンラインでつなぎ、専門家が両地域それぞれの固有種の鳥であるルリカケスとヤンバルクイナについて解説。参加者は2種の特徴や生態、生息地などを学び、絵を描いて世界に一つだけの図鑑を作った。

 

ワークショップは琉球弧の自然環境に興味と感心を高めてもらおうと、第34期プロ・ナトゥーラ・ファンドの助成金を活用し実施。2会場で6家族22人が参加した。

 

沖縄こどもの国動物みらい課の島田晴加飼育員は、沖縄島北部に生息するヤンバルクイナを紹介。▽飛べない▽足が太く走るのが速い▽3~6月に4~5個の卵を産む▽雑食性▽南部の遺跡からも骨が出土している―と話し、「生息域が狭まってしまっているが、個体数の回復に向けて交通事故対策や外来種対策、域外飼育などに取り組んでいる」と語った。

 

奄美博物館の平城達哉学芸員は、奄美群島固有種のルリカケスについて▽カラスの仲間▽個体数が回復し絶滅危惧種リストから外れている▽最も近い種はヒマラヤ山脈にいるインドカケス―などと解説した。

 

奄美会場にはルリカケスとヤンバルクイナの剥製も展示され、参加者は生態によって異なる2種のくちばしや足の形などを観察。用意された冊子に学名や生息域などとともに絵を描き入れ、オリジナルの図鑑を完成させた。

 

家族で参加した古仁屋小5年生の苗村武龍君(11)は「飛べないヤンバルクイナがハブよけのために木の上で寝ることに驚いた。鳥が好きなので(奄美にも飛来する夏鳥の)サンコウチョウを見てみたい」と話していた。

 

23日は奄美と沖縄のイシカワガエルを題材にワークショップを開く。時間は午前10時~正午、場所は奄美博物館。対象は小学生以上(小学校高学年以上推奨)。事前申し込み制で定員は20人。参加無料。

 

申し込み・問い合わせ先は電話0997(54)1210奄美博物館。