与路島で初の学生映画祭 鑑賞、前夜祭で島民と交流 23~24日に奄美市でも開催

2024年03月10日

地域

学生が自主制作した映画作品を鑑賞する島民ら=9日、瀬戸内町の与路島

芸術系の大学・専門学校の学生らが自主制作した映画の受賞作品を決める第17回「JCF学生映画祭」(同実行委員会主催)が8、9の両日、瀬戸内町の与路島であった。同島での学生映画祭開催は初めて。与路集落の公民館で前夜祭と上映会があり、島民らが映画鑑賞を楽しみながらにぎやかに交流を広げた。

 

映画祭は学生たちの才能の発掘や人材育成を目的に1999年から全国各地で展開している。九州地区での開催は初。

 

同実行委員の太田雅人さん(58)が代表を務めるGETTIグループ(本社東京都)が、与路島で宿泊施設を運営している縁がきっかけで同島が会場となった。23~24日には、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)でも開催予定。審査があり受賞作品が決まる。

 

映画祭のテーマは「~夢は続く~【卒業と門出】」。学生らが卒業制作で手掛けた作品を紹介することで、与路小中学校の児童生徒にエールを送ることをコンセプトとした。

 

9日の上映会には約20人が訪れ、学生の作品など計3本を鑑賞。京都精華大学の平尾匠さんによる「喝采」は、脚本家志望の大学生が才能のある演劇部員に出会い自信を無くして思い悩む物語。武蔵野美術大学の渡邊龍平さんによる「完璧な若い女性」は、幼なじみから届いたカセットテープを巡る「出会い」や「別れ」をポップに描いた。

 

このほかNPO団体が制作した「マイクロプラスチック・ストーリー~ぼくらが作る2050年~」(佐竹敦子監督)も上映した。プラスチック汚染問題について、ニューヨークの子どもたちの視点で問うドキュメンタリー映画。

 

与路小6年の参河駿君(12)は「大学生であんな映画が作れるんだと驚いた。自分でも作れたらいいな」と感想を話した。

 

太田さんは「芸術・アートで地域を活性化したい。今後の島おこしのきっかけになれば」と期待した。