「養護」から「特別支援」学校に 県内12校で、大島養護も あすから名称変更

2023年03月31日

子ども・教育

学校名の変更に合わせて取り替えた大島養護学校の看板=29日、龍郷町芦徳

4月1日から、県内12校の養護学校の名称が特別支援学校に変更される。奄美では龍郷町芦徳の県立大島養護学校(福永憲一校長)が大島特別支援学校に名称を変更。一人一人の教育ニーズに対応する「特別支援」を学校名に掲げ、新学期に向けて新たなスタートを切る。

 

現在の特別支援学校の制度は、2007年の学校教育法改正に伴い導入。それまで区別していた盲・ろう・養護学校を「特別支援学校」に一本化することで、複数の障がいを対象とした指導ができるようになった。学校名の変更は義務付けられなかったため、鹿児島県では多くの学校で従来の名称を使用していた。

 

県教育委員会によると、22年度まで養護学校の名称が残っていたのは九州・沖縄では鹿児島県のみ。特別支援教育の理念が社会に広く浸透する中、県内の保護者や学校関係者からは名称の変更を求める要望もあったという。こうした状況を踏まえ、県は23年度から鹿児島市に県立鹿児島南特別支援学校を新設するのに合わせて、12校の名称も一斉に変更することを決めた。

 

大島特別支援学校に名称が変わる大島養護学校では、新学期に向けて学校名の表示も変更した。15日に校門の銘板、25日に国道沿いの看板を取り替えた。

 

同校には23年度、奄美大島以外の支援教室を含む小中高115人が入学予定。福永校長は「大島地区には(特別支援学校が)本校しかない。多くの方に学校を知っていただき、関心を持ってもらうためにも学校名の周知に務めたい」と話した。