地域の魅力、活動を発表 島サバクリエイティヴ 各島で奮闘する男女8人登壇 与論町
2023年02月06日
政治・行政
奄美群島で島おこしに取り組む人々が体験談を語る「島サバクリエイティヴGCD(ガシド)トークショー」(奄美群島広域事務組合主催)が5日、与論町の砂美地来館であった。各島で奮闘する男女8人が登壇し、それぞれの地域にある魅力や課題を取り上げ、自身の活動や将来へ向けた期待、不安などを本音で語った。来場した約70人は「ガシド!(そうだね)」と共感とエールを送った。
同イベントは群島成長戦略ビジョンに基づく人材育成事業の成果発表の場で、本年度で9回目。今回は与論島の3人と喜界島の2人、奄美大島、徳之島、沖永良部島から各1人が登壇し、プレゼンテーション形式で自身の思いや取り組みを発表した。
与論島の原田諭さんは子牛繁殖を終えた経産牛を再肥育し、地場産牛肉として提供する「ヨロンアイランドビーフ事業」について発表。2020年の出荷開始以降、ふるさと納税返礼品や島内飲食店で提供しているほか、アイランドビーフ入りレトルトカレーの開発事例を紹介し「年間出荷の長期目標頭数は300頭。与論島のおいしい牛肉を日本中の人に食べてもらいたい」と訴えた。
同島で暮らす野口貴子さんは要介護状態にならないため、筋肉を増やす運動「筋活」をはじめ、防災イベントなど各種イベントの企画について報告。家族で与論民族村を運営する菊凛太郎さんは、島の方言(ゆんぬふとぅば)の継承を見据え、SNSで方言に関する動画発信などについて話した。
奄美大島の田中基次さんは農福連携を展開して農産物を活用した6次産業化を推進し、障がい者の雇用の場を生み出す取り組みを紹介。喜界島の甲原和憲さん、真子さん夫妻は在来ミカンを利用したクラフトコーラの誕生秘話などを説明し、「世界へ向けたものづくりに挑む」と熱弁した。
徳之島の益子正和さんは、天城町の水産業発展のため、4月に開所予定の町水産物直売所の準備過程について語った。沖永良部島の要秀人さんは若手農家で組織するボランティア団体を設立し、さまざまな島おこしイベントを企画。「持続可能な島づくりへの挑戦を続けたい」と訴えた。
会場では「奄美群島チャレンジ事業見本市」も開かれ、奄美の食材を使ったプリンやジェラート販売など4個人団体のブースが設けられ、にぎわった。
トークショーの模様は年度内にも、動画配信サイト「YоuTube」内の広域チャンネルで配信する予定。