寄贈救急車が到着 瀬戸内町からウクライナへ 現地医療に貢献
2023年10月27日
政治・行政
瀬戸内町が6月にNPO法人SunPanSa(三重県、上村眞由理事長)を通じてウクライナに贈った救急車が14日、同国ヘルソン州に到着した。ロシアによる軍事進攻が続き、医療施設などが被害を受ける中、貴重な医療資源として活用されている。
同町は、中古救急車を求める同法人の呼び掛けに応じ、大島地区消防組合瀬戸内消防分署で15年以上稼働し、5月に現役を退いた高規格救急車を同法人に譲与していた。戦禍に苦しむウクライナへの国際協力が目的。
上村理事長や輸送を担当したNPO法人日本ウクライナ友好協会KRAIANY(東京都)のカタオカソフィヤさんによると、救急車は譲与式後、神戸港に移動。同港からベルギーに向け7月31日に出発し9月18日に到着。ポーランドを経由し、10月8日にウクライナの首都キーウで現地の医療系NPO法人に渡された。同14日に南部ヘルソン州に移動した。
同州は一部地域がロシア軍に占領されている。非占領地域でも医療施設が破壊されるなど、医療体制の確保が喫緊の課題。高度な救命資機材を搭載した高規格救急車は移動式の治療設備として重宝されているという。
上村理事長は「奄美大島の人たちの善意が届き、第2のステージで多くの人命を救うことを期待している」と話した。
カタオカさんは「遠い奄美大島から救急車が届き、現地のボランティアも感動している。日本とウクライナの協力関係を築いていくことにつながれば」と話した。現地メディアでも紹介されているという。