移住生活に7割満足 仕事、住まいには不満の声も 移住者アンケート 奄美群島UIOターン支援協

2024年03月01日

政治・行政

2023年度の取り組みと成果などが報告された奄美群島UIOターン支援協議会=29日、奄美市名瀬

奄美群島UIOターン支援協議会(花井恒三会長、委員31人)の2023年度会合が29日、奄美市名瀬の紬会館であった。オンライン参加を含め、委員やオブザーバーら約30人が出席し、会の名称を「奄美群島移住・二地域居住促進協議会」へ改称。奄美群島への移住者を対象に実施したアンケートでは約7割が島の生活に満足と回答した一方、自由意見では仕事や住まいに不満の声も報告された。

 

Oターンは「一度Uターン就職した人が、地方暮らしの理想と現実のギャップに悩み、再び大都市に戻って再就職すること」を指す。マイナスイメージを払拭(ふっしょく)するため、今回名称を移住・二地域居住促進協議会へ変更した。移住・定住促進に加え、人材育成や空き家活用、交流人口拡大など地域課題の解決に向けた取り組みの協議・支援が主な目的。

 

事務局の奄美群島広域事務組合は、13年度以降に奄美群島へ移住した人を対象に実施したアンケート結果を報告した。184件の回答があり、30代、40代の女性からの回答が全体の約4割を占め、移住前の居住地は関東圏、関西圏が多かった。移住した時の家族構成は単身が最多。移住後の生活に「大変満足」「ほぼ満足」と答えた人の合計は全体の約7割。一方、生活上の不満に関する自由意見では「物価が高い」「賃金が低い」「単身用の住居、物件がない」「買い物が不便」などがあった。

 

移住体験ツアーやフリー滞在プログラム事業の実施状況は24年1月末現在、フリー滞在プログラムには13組25人が参加。人気のプログラムは▽移住担当者への移住相談▽空き家見学▽先輩移住者、地域住民との会話│などと続いた。

 

奄美群島への移住支援サイトを運営する「ねりやかなや」の山腰眞澄代表取締役が、23年2月1日から1年間の同サイトへのアクセス状況を報告。年間ユーザーは約13万人で、スマートフォンからの検索が74%を占め、「奄美群島に関心がある人は13万人で、住もうと思う人は1.6万人。群島への関心を高め、移住希望者を増やすのが課題」と述べた。

 

NPO法人あまみ空き家ラボ(佐藤理江理事長)が群島12市町村へ行った聞き取りによると、群島内の空き家は4303件で、空き家率は7.3%。佐藤理事長は「昔の調査データを提供した自治体や活用可能な空き家のみを調査している自治体があり、実際はもっと空き家がある」として、自治体担当者向けに空き家所有者との相談窓口対応マニュアルを解説した。