再エネ整備へ派遣協定締結 専門家受け入れ実証推進 知名町

2023年05月17日

政治・行政

地域活性化起業人派遣協定を結んだDGキャピタルグループの新海優社長(右)と知名町の今井力夫町長=15日、同町役場

【沖永良部総局】脱炭素の取り組みを進める知名町は15日、再生可能エネルギー(再エネ)を普及させる技術を開発しているDGキャピタルグループ(本社東京、新海優代表取締役社長)と地域活性化起業人の派遣協定を締結した。町は同グループの特許技術であるDGR(デジタルグリッドルーター)を活用した再エネ設備導入を計画。協定締結により、この技術への専門的知識を持つ同グループの藤原宗徳さん(60)を起業人として受け入れ、DGRの整備に向けた課題の整理や実証を進める。

 

DGRは再エネの制御や電力供給などに関する技術。電力会社の内燃機関との連携により、町内の各公共施設への安定的な電力融通が可能となる。

 

地域活性化起業人として知名町に派遣された藤原宗徳さん

同グループは今年2月、傘下に沖永良部島でのDGR設備開発や運営を行う「えらぶゆり電力」(新海社長)を設立。現在、知名町内にサテライトオフィスの出店準備中で、藤原さんは、同オフィスと同町企画振興課ゼロカーボン推進室を週の半分ずつ勤務。専門的技術を分かりやすく説明するエバンジェリストとして、DGRについて町民も含め対外的に説明するほか、資料作成支援などを担う。

 

町役場であった協定調印式では今井力夫町長と新海社長が協定書に署名した。今井町長は「DGキャピタルの知識とノウハウ、技術を町の考えている脱炭素社会に大いに活用させてほしい」と協力を求めた。

 

新海社長は「沖永良部島のゼロカーボンの取り組みが電力改革の最初の拠点になると考えている。(藤原さんは)海外での経験、知見もあり、同島での実績を全世界に発信していく拠点にもなる」とあいさつ。藤原さんは「島のためになることを手伝いたい」と抱負を述べた。

 

同グループは傘下企業から和泊町にも地域活性化起業人を1人派遣している。