地域課題解決目指し産官学連携 電動キックボードなど実証実験へ 瀬戸内町
2025年05月03日
政治・行政

地域課題解決に向け3者連携協定を締結した(右から)AMEの渡太郎理事長と鎌田愛人瀬戸内町長、藤内哲也鹿大法文学部長=2日、瀬戸内町役場
一般社団法人奄美みらいエネルギー(渡太郎理事長)と瀬戸内町、鹿児島大学法文学部は2日、瀬戸内町役場で会見を開き、地域課題解決に向けて3者連携協定を締結したと発表した。今後電動キックボードや超小型電気自動車を活用し、環境保全や観光振興、高齢者の移動支援、防災対策などの地域課題解決に向けた実証実験を行う。渡理事長は「地元民間企業の視点からプロジェクトを進められることをうれしく思う。産官学連携で持続可能な地域づくりを目指すこの挑戦にぜひ注目してほしい」と語った。
奄美みらいエネルギー(AME)は奄美大島の建設、自動車、林業関係者らで設立。地元の資源・人材を活用して島内で「衣・食・住・教育」が好循環する体制づくりを目指し、木質エネルギーの推進や防災減災モデルの構築、農業資材の開発と食育などに取り組んでいる。連携協定は3月に締結。実証実験は単年度プロジェクトとして進める。
プロジェクトで使用するのは超小型電気自動車(日産・ニューモビリティコンセプト)1台と、一般原動機付自転車に区分される電動キックボード(YADEA・KS5Pro)5台。保険料や整備代、国土交通省への登録手続き費用なども含め、AMEが計200万円で導入した。今後は瀬戸内町内でAMEが各車両の効果的な運用方法を検証し、利用データの分析などに鹿大が協力する。
鎌田愛人町長は「町としてフィールドを提供する。協力して未来に向けた取り組みを進めたい」。鹿大法文学部の藤内哲也学部長は「複数の社会課題が交錯する中でどのような実効性のある仕組みを作れるか深い関心と責任を感じる。地域と課題を共有し共に未来を描きたい」とそれぞれ抱負を述べた。
同日は同町古仁屋のきゅら島交流館で試乗会もあり、関係者が操作方法や乗り心地を確認。「狭い路地を走りやすい」「景勝地を散策すると気持ちよさそう」などと活用に向けて意見を交わしていた。