盗掘・盗採防止へ啓発 GWで観光客らにチラシ配布 環境省
2025年05月03日
政治・行政

観光客らに希少種の捕獲・採取に関する規制やルールを普及啓発する関係者=2日、奄美空港
観光客や帰省客が増える大型連休に合わせて環境省は2日、奄美市笠利町の奄美空港で希少動植物の盗掘・盗採防止に向けた啓発活動を行った。奄美大島に到着した人たちにチラシやパンフレットを配布し、動植物の捕獲や採取に関わる規制やルールを周知した。
奄美大島と徳之島では、種の保存法や県条例などで指定する希少種や天然記念物の持ち出しを禁止しているほか、国立公園の特別保護地区や特別地域での捕獲・採取行為にも規制を設けている。
2019年には、希少なカエルを無断で持ち出そうとした男2人が種の保存法違反などの罪に問われる事案が発生。奄美空港では島外への出発客が野生生物を持ち込んだ際、捕獲や採取が禁止されている種でないかを確認し、法令違反の場合は警察に通報する。
この日は環境省や奄美市、県大島支庁、警察などから6人が到着ロビーでチラシを配布。奄美群島国立公園の保護区域や法令による保護対象種、昆虫採集のルールやマナーについて観光客らへ普及啓発した。
同省の興津絵美国立公園管理官によると、規制対象種以外の大量捕獲・採取も目立つ。今年3月には100匹以上のカエルなどが持ち出される事案があり、島の生物多様性への影響が懸念されている。
興津国立公園管理官は「昆虫採集などをする場合は規制対象の種や地域でないかを確認し、採集した場合も責任を持って最後まで飼育してほしい」と話した。
連休中は島内の林道などで、5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会や林野庁、県ら関係機関と合同パトロールも実施している。