調整池にマングローブ植栽 堆積土砂除去で伐採、再生に期待 龍郷町浦の橋立とおしめ地区

2025年03月22日

政治・行政

調整池にマングローブ植栽 堆積土砂除去で伐採、再生に期待 龍郷町浦の橋立とおしめ地区

龍郷町が管理する浦の橋立とおしめ地区で、周辺の水路や調整池に堆積した土砂を取り除くしゅんせつ事業が最終段階を迎えている。町は21日、調整池の工事に伴い伐採したマングローブの自生地跡に新たな苗を植栽。町職員や町議会議員ら約30人が参加し、メヒルギの苗160本を植えた。

 

同事業は防災が目的。町農林水産課によると、2010~11年に発生した豪雨災害により同地区には土砂が大量に流れ込んで堆積した。貯水・排水機能が低下し、雨が降るたびに町中央グラウンドが冠水するなどの影響が出ていたという。

 

こうした状況を受け町は22~24年度、国の緊急しゅんせつ推進事業を活用して工事を実施。総事業費は約6600万円で、このうち24年度に取り組んだ調整池の工事費は約5千万円。事業費の70%が交付税で措置される。

 

調整池は約1万4千平方メートル。昨年8月に着工し、平均50センチ堆積していた土砂を除去した。マングローブは堆積土砂に自生していたが、工事の際に移植が難しいことや、22年度に実施した環境調査でカイガラムシの付着が確認されたことなどから、伐採が必要となった。

 

マングローブの植栽箇所は、調整池の両端延長約200メートル。この日は、とおしめ公園側の約120メートルにメヒルギの苗を等間隔に植えた。全員で協力し、午後4時から20分ほどで作業は終了した。国道側には後日、委託業者がオヒルギの苗80本を植栽する予定という。

 

同課の迫地政明課長は「防災の観点では、(工事で)土砂がたまっていることによる災害のリスクを解消できた。今後はマングローブが周辺に広がって群生地ができ、訪れる人が自然の景観を見られるようになれば」と期待した。