離島医療の体制整備を 血液備蓄所の開設も要望 奄美群島市町村議会議員大会 伊仙町

2025年05月21日

政治・行政

議題6件を採択した奄美群島市町村議会議員大会=20日、伊仙町総合体育館

【徳之島総局】第66回奄美群島市町村議会議員大会(奄美群島市町村議会議長会主催)が20日、伊仙町総合体育館で開かれた。血液備蓄所の開設などを盛り込んだ持続可能な地域医療の確立や離島が抱える物価高対策など、国や県に要望する議題6件を審議。いずれも採択した。

 

大会への提出議題は▽亀徳港における耐震強化岸壁整備(徳之島・天城・伊仙)▽持続可能な部活動地域展開など(和泊・知名・与論)▽国道58号(奄美市住用町役勝~網野子トンネル起点間、勝浦~阿木名間のトンネル化)の改良促進(大和・宇検・瀬戸内)▽離島地域における物価高及び燃油価格差の是正(奄美市)▽東海岸バイパスルート(龍郷町~奄美市~瀬戸内町)の整備(龍郷・喜界)▽奄美地域における持続可能な地域医療の確立(議長会)│についての6件。

 

このうち議長会提出の議題は、医療機関の閉院や専門医の人材不足、輸血用血液備蓄体制の喪失など、離島医療の現状を「危機的」と指摘。「離島であるがゆえに『命をあきらめる』ことがないよう特段の措置を講じるよう強く要望する」として▽離島勤務医の確保▽血液備蓄所の開設▽島外の医療機関を受診する際の交通費の負担軽減策▽急患空輸体制の強化│などを要望した。

 

これに対して禧久伸一郎県議(大島郡区)は、離島の医師確保に向けた奨学金貸与制度の充実や遠隔医療の導入助成など、県の取り組み状況を説明。血液出張所設置については、昨年9月に開かれた実務者会議での協議内容を報告した。

 

伊仙町での議員大会開催は2011年の第54回大会以来14年ぶりで、議員173人を含む約210人が出席。県選出の国会議員による国政報告や、地元選出県議の県政報告もあった。

 

大会終了後はほーらい館で研修会があり、内閣府沖縄総合事務局運輸部長併任沖縄総合観光施策推進室長の星明彦氏が「奄美群島の挑戦~自然・文化・農業を活かした新しい価値創造と未来への道筋~」と題して講演。沖縄との連携の可能性について述べた。

 

自治功労被表彰者は次の通り。(敬称略)

▽議員10年在職 松田太志(徳之島町)、外山利章(知名町)、西文男(同)、根釜昭一郎(同)

▽議会事務局職員5年在職 川畑進弥(龍郷町)