６事業所を福祉避難所に　災害時の要配慮者受け入れ　奄美市

奄美市は２９日、デイサービスなどを行う市内６カ所の高齢者通所サービス事業所と、「福祉避難所の指定に係わる協定」を締結し、災害時、高齢者や要介護者など特別な支援が必要な要配慮者を受け入れる福祉避難所に指定した。今後は各事業所間や市との連携で、受け入れ体制の整備を進める。

 

奄美市は昨年９月、１年間限定で、市内８カ所の高齢者通所サービス事業所を台風災害時の福祉避難所に指定。９月１７日の台風１４号接近時には、３施設が福祉避難所として要配慮者９人を受け入れた。

 

これらの実績や新型コロナウイルスなど感染症の影響を踏まえ、市は台風に限らずすべての災害に対応する福祉避難所として、昨年指定した８事業所のうち６事業所と新たに協定を締結。これまでに６つの医療機関や入所施設とも協定を結んでおり、市指定の福祉避難所は計１２カ所となった。

 

市は警戒レベル３「高齢者等避難」発令時、指定事業所に福祉避難所の開設を要請。利用対象者は日常的に各事業所に通う人を基本とするが、近隣他施設の利用者の受け入れ可否なども考慮し、今後は各事業所で対象者名簿を作成、市と共有する方針。

 

奄美市役所であった締結式には、指定６事業所のうち３事業所の代表者が出席。安田壮平市長は「避難所の多様化が求められる中、協定は市民の生命を守る大きな力となる。今後も連携を深め災害に強い地域づくりに取り組みたい」と話した。

 

指定を受けた「デイきずな」の勝村克彦代表取締役は「事業所間で連携し、災害発生時には対象者が迅速かつ適切に避難、安心して過ごせる仕組み作りを検討、実践していきたい」と語った。

 

協定を締結した事業所は次の通り。

▽わんわんデイサービス▽デイきずな▽めぐみの園デイサービス▽あおぞらデイサービス▽デイサービスセンターてて▽むかいクリニック通所リハビリテーション