ルーツの地へ初来島 徳之島3世の片岡愛之助さん 観光大使にも就任 「世界に魅力を発信したい」

2023年05月03日

地域

先祖の墓を清める片岡愛之助さん、紀香さん夫妻=2日、徳之島町手々

【徳之島総局】歌舞伎役者の片岡愛之助さん(51)が2日、祖父の故郷である徳之島を初めて訪れ、親戚や地域住民と触れ合いながら自身のルーツとなる島を巡った。訪問に合わせて徳之島観光大使の委嘱状伝達式も開かれ、愛之助さんは「日本だけでなく世界に徳之島の魅力を発信していきたい」と大使としての抱負を語った。

 

愛之助さんは祖父が徳之島町手々出身であることが縁となり2021年10月30日付で徳之島観光大使に就任した。任期は26年3月31日まで。就任以降、徳之島観光連盟(盛利広会長)と徳之島3町が来島を依頼していたが、台風などの影響で数回断念した経緯があり、1年以上かけてようやく来島が実現した。

 

愛之助さんは2日、妻で女優の紀香さんとともに空路で徳之島入り。手々集落では愛之助さんの祖父のおいの山元利一さん(91)の案内で先祖の墓参りを済ませた後、地元の小中学生が案内人を務める「われんきゃガイド」に導かれて「アジ墓」や「豊穀神社」など集落の名所を巡った。

 

委嘱状伝達式は同神社であり、盛会長(55)から委嘱状を受け取った愛之助さんは「幼い頃には手々の郷友会の運動会に参加させてもらったこともある。不思議なご縁で観光大使に選んでいただいた。全力で頑張りたい」と思いを込めた。

 

愛之助さん、紀香さん夫妻は集落の散策中にも住民と握手したり写真撮影に応じたりして交流。愛之助さんは「また来ますからよろしくお願いします」など声を掛けて親睦を深めていた。

 

盛会長は「日本の誇る歌舞伎の担い手である愛之助さんの協力はとても頼もしい。協会としても徳之島の魅力を世界へ発信していけるように努めたい」と感謝した。