奄美の人口10万人割れ 日本復帰70年、半分以下に 県推計4月1日現在

2023年04月29日

地域

▽表 奄美群島の人口推移

【鹿児島総局】県が28日発表した4月1日現在の県推計人口によると、奄美12市町村は計9万9247人(男4万8383人、女5万864人)となり、初めて10万人を割り込んだ。1953年の日本復帰後初の55年国勢調査(20万5363人)と比較すると48・3%。約70年で群島の人口が半分にまで減ったことになる。

 

県がまとめた奄美群島振興開発総合調査報告書などによると、奄美の総人口は55年以降、若年層を中心に島外流出が続き、国勢調査の数値で1980年が15万6074人、2000年13万2315人、20年10万4281人と推移してきた。奄美各島で人口減少が続き、特に加計呂麻島、請島、与路島では55年からの65年間で88・5%の人口減となっている。群島の65歳以上の高齢者の割合は20年が35・0%で15年から3・7ポイント上昇し、高齢化も急速に進んでいる。

 

 県推計(4月1日現在)の奄美群島の人口は前月比1899人減。市郡別の人口は、奄美市が3万9489人(世帯数1万9149世帯)、大島郡が5万9758人(同2万8621世帯)。出生から死亡を引いた自然動態は前月に比べ奄美市が24人減、大島郡が79人減。県外転入から転出を引いた社会動態は奄美市が781人減り、大島郡は1015人減少した。奄美の自治体別人口を前年同月比でみると、全12市町村で減少している。

 

県計は155万3060人(男73万3558人、女81万9502人)で、前月より5084人減少。世帯数は前月比827世帯減の72万8022世帯。自然動態は1205人減少し、社会動態も3879人減少した。

 

県統計課によると、異動時期と重なるため例年4月1日現在の人口は前月に比べて減少傾向で、5月1日現在の数値は増加傾向にある。