思い出の海岸、きれいに 一屯崎で漂着ごみ回収 喜瀬一区集落

2023年05月13日

地域

一屯崎海岸で、漂着ごみ回収に汗を流す清掃活動参加者=12日、奄美大島

奄美市笠利町の喜瀬1区集落(山下茂樹区長)は12日、同市と龍郷町の境界にある一屯崎周辺の海岸で清掃活動を行った。地元住民と奄美市、龍郷町の行政関係者、海保、ダイビング事業者など約30人が参加。2時間ほどの作業に汗を流し、2トントラック1台分と軽トラック2台分のごみを回収した。

 

海岸清掃は昨年12月に初めて実施し、今回で2回目。同集落在住の野崎賢三さん(68)が発起人となり、大量の漂着ごみで汚れている浜をきれいにしようと、山下区長や関係機関に協力を呼び掛けた。

 

参加者らは喜瀬漁港からダイビング事業者の船で浜に向かい、漂着したプラスチックごみや漁具、発泡スチロール、ペットボトルなどを手分けして拾った。回収したごみは船に積み込み、漁港へ運び出した。

 

海岸清掃に協力した同市笠利町のダイビングショップ「ネバーランド」の古田直基代表(37)は「いつも喜瀬漁港を使わせてもらっているので恩返しになれば」と話した。

 

かつては学校の遠足も行われ、地元住民に親しまれていた一屯崎。戦時中は、船で出征する人たちを万歳で見送る場所だったという。山下区長(75)は「子どもの頃に遊んだ思い出があるので、きれいになってうれしい。これをきっかけに周辺の浜にも活動を広げ、浜下りなどの集落行事を再開したい」と笑顔を見せた。

 

野崎さんは「この活動を続けて、きれいな海を次の世代にも引き継いでいきたい」と話した。