知名町で離島物価懇談会
2020年01月22日
地域
2019年度離島物価問題懇談会(県主催)が21日、知名町のあしびの郷・ちなリハーサル室であった。沖永良部島内の生活関連物資の価格動向や流通事情などについて消費者と事業者が意見交換。事業者側からは消費税増税への対応に苦慮する現状などが伝えられた。一方、消費者側からは物流コスト削減のため、地産地消の推進を求める意見があった。
懇談会は事業者と消費者が意見交換を通して物価問題への認識を深め、相互理解の促進を図ることなどが目的。
県は県内61店舗で生活関連物資18品目を対象に、毎年7月と1月に定期調査を実施。鹿児島地域を100とした場合の大島地域の品目ごとの価格状況(2018年度)は、▽加工食品(納豆)128・4▽生鮮食品(キャベツなど)119・3▽石油製品(ガソリンなど)117・3│で、ほとんどの品目が割高となっている。
懇談会はこうした状況も踏まえて意見交換。町商工会の担当者は「消費税が10%になったことへの対策が課題。消費者にポイント還元のあるキャッシュレス決済の推進などにも取り組んでいるが、高齢の事業者などで対応できずに厳しい状況の店もある」と話した。
食品販売の事業者からは「売価決定は物流コストの影響が一番大きく、冷蔵品は常温品の1・5倍かかる。物流コストの補助があれば、県本土並みの(価格の)販売も可能と思う」。ガソリン販売店からは「海に面した離島地域は潮風害の影響を強く受け、設備維持の経費もすごくかかる。離島のガソリンに対する輸送コストの補助を軽油も対象になるよう拡充してほしい」といった意見があった。
消費者側からは「消費税は増税されたが、給料も年金も上がらず、生活への負担は増している」「事業者側からガソリンなどの物価が高い背景を聞いて納得できた。そうした理由をもっと周知してはどうか」との声があった。
開催地の今井力夫町長は「外海離島の地域がエネルギーや食べ物を地産地消できる仕組みづくりを県も意識して考えてほしい。地域の物価の安定にも役立つ」などと県へ要望した。