違い認め合い対話を ジェンダー平等大切さ学ぶ 瀬戸内町でワークショップ
2025年05月22日
地域

教職員らがジェンダー平等について学んだワークショップ=21日、古仁屋小学校
瀬戸内町は21日、同町立古仁屋小学校(岩本博裕校長、児童256人)などでジェンダーギャップ(社会的、文化的な性差による男女格差)をテーマにしたワークショップを開いた。児童、教職員、保護者、地域住民ら計約300人が参加。違いを認め合いながら対話していくことの大切さを学び、一人ひとりが尊重され、活躍できる地域づくりを目指した。
ワークショップは同町の男女共同参画推進総合計画(2024~33年度)の重点目標に置かれている「ジェンダー平等教育の推進」の一環で実施。龍郷町、宇検村と連携協働しながら一人ひとりが尊重される地域づくりを目指してさまざまな事業を展開している。
同日は児童、教職員、保護者・地域住民と4回に分けてワークショップがあり、いずれもアドバイザーの高﨑恵さん(50)=オフィスピュア所属=が講師を務めた。高﨑さんは鹿児島県出身で祖父母が奄美市出身。現在は神奈川県と鹿児島県で2拠点生活をしながらアドバイザーとしてジェンダー問題の改善に取り組んでいる。
教職員向けのワークショップには古仁屋小学校の教諭ら約20人が参加。高﨑さんは従来の学校教育について「皆と違うことをして叱られた経験が同調圧力を生んでいる」と指摘。「思ったことや考えを自由に口に出して言える社会を目指す必要がある」と訴えた。
さらに23年4月から施行されている「こども基本法」の原則の一つ「子どもの意見の尊重」について「子ども抜きで学校、地域、社会が子どものことを決めてきたこれまでの現実がある。大人たちは自分が子どもの意見にしっかり向き合えているかを常に見直す必要がある」と自戒も求めた。
高﨑さんは「小学校は性差や一人ひとりの個性が芽生える大切な時期」と早期のジェンダー教育の重要性を述べた上で、「大人は『男の子』『女の子』『学年』などの〝属性〟で子どもたちをとらえがち。一人ひとりがどんな子なのかを理解し、しっかりと向き合いながら、先生も児童も幸せな教室を実現してほしい」と期待を込めた。