みんなで地域の教育考える「オモロー授業」県内初開催 奄美市
2025年03月16日
地域

数学の授業の進め方を説明する奄美市立赤木名中学校教員の元山亘さん=15日、奄美市笠利町
対話を通して公教育の在り方を探るイベント「オモロー授業発表会in奄美」(同実行委員会主催)が15日、奄美市笠利町の県奄美パークであった。群島内外の現役教員ら9人が登壇(オンライン1人含む)。訪れた地域住民ら約170人を前に、それぞれが実践する授業や、教育の場で学んだこと、大切にしていることなどを伝えた。来場者同士で感想を語り合う時間もあり、会場一体で地域の教育について考えた。
オモローは「面白い」の意味。「教育の本丸は公立学校」という思いの下、地域で頑張る先生たちの教育活動を発表する場として、2023年に関西で始まった。これまで全国各地で100回以上開かれている。
15日は奄美大島や徳之島、加計呂麻島、県本土、県外で活躍する教育関係者らがそれぞれ10分の持ち時間で、子どもたちとの向き合い方や、学習の進め方、大切にしている価値観など多様なテーマで発表した。
奄美出身で、現在県本土の小学校で養護教諭を務めるともみさんは「食」をテーマに掲げ、特にミネラルが体と心の両方の健康につながることを紹介。奄美には黒砂糖やもずく、みそ(茶うけみそ)など体調と心を整える多くの食材があることなどを伝えた。
奄美市立赤木名中学校で数学教師として勤務する元山亘さんは特に力を入れる生徒へのアンケートや面談などの学びの進め方を紹介し、対話の重要性を呼び掛けた。
家族4人で来場した笠利町の川口竜之介さんは「パッション(情熱)あふれる先生たちだった。子どもたちに押し付けず、自分たちに考えさせる教育の話が印象的だった。(子どもが)いい先生に巡り合えれば将来が楽しみ」と話した。

輪になって感想を語り合う来場者ら=15日、奄美市笠利町
奄美での開催は笠利町出身で出水市の教員、山下優香さんらが企画。県内で開かれるのは初めてで、山下さんは「多くの人たちに来ていただき感謝。島の人たちの思いが重なって広まり、頑張っている人たちがつながれば」と話した。
この日は同イベントの発起人である久本和明さんも来島。会の最後に地元集落の住民や子どもたちによる八月踊りや六調に加わり「輪になって踊ったのは初めて。独自の伝統を引き継ぎながら、町と学校がつながり、先生も子どもたちも幸せになってほしい」と語った。