キャッシュレス決済「可能性確認」 バス利用者アンケートを報告 沖永良部公共交通活性化協

2022年12月06日

地域

路線バス利用者アンケート結果の報告などがあった沖永良部地域公共交通活性化協議会第4回会合=5日、和泊町

【沖永良部総局】沖永良部地域公共交通活性化協議会(会長・前登志朗和泊町長)の2022年度第4回会合は5日、和泊町役場であった。今年度中の策定を目指す「地域公共交通計画」について、委託業者が今年10月に行ったバス利用者アンケート結果を報告し、今後の方向性を説明。キャッシュレス決済の導入については「導入の可能性を大きく確認できるものとなった」と分析し、島外のキャッシュレス決済の普及率や観光客のニーズ、観光振興の視点からも重要性を強調した。

 

利用者アンケートは21年度調査を踏まえ、▽和泊と知名の両町をそれぞれ循環する路線への見直し▽均一運賃の導入▽キャッシュレス決済の導入―の三つの検討事業に対してのニーズと、現在のバス利用者への影響を把握するのが目的。調査員が実際にバスに乗車し利用者に対して行ったほか、自治会長、路線バス乗務員にも意見を聞いた。

 

路線見直しについては、「乗り換えが発生しそう(町をまたぐ移動がある)」との回答が37・6%に達するなど影響を確認。乗務員からも乗り継ぎ地点や待合所、運行本数などへの懸念の声があったことから、「慎重に取り組み、十分な検証と協議をもって行う必要がある」とした。

 

均一運賃の導入については一定のニーズの確認と利便性向上の可能性を確認。乗務員からも高校生以下に均一運賃制を導入して以降、利用者数が増えたとの意見が多くあり、「利用者増加の可能性が十分考えられる」とした。金額はアンケート結果から「200円」を一つの目安とし、「実証実験を行い、運賃収入と利用者数の変化の面から最終的な金額設定ができれば」と述べた。

 

出席委員からは和泊、知名両循環路線を乗り継ぐ交通結節点について「おきのえらぶ島観光協会にしたら、トイレや雨宿り、空港方面への路線バス乗り継ぎ、時間をつぶす場所としても最適ではないか」との意見があり、事務局は「意見を参考に検討する」とした。

 

このほか、23年度には「地域公共交通利便増進実施計画」の策定を検討していることも報告された。