ヘッドホン着け映画鑑賞 最先端のシステムで上映 喜界島

2022年07月09日

地域

ヘッドホンを着け迫力の音声と映像を楽しむ来場者=8日、喜界町湾

観客が高性能のヘッドホンを着けて映画を鑑賞する新しい上映システムを使った映画イベントが8日、喜界町でスタートした。喜界島観光物産協会(上園田慶太会長)が東京都の運営会社「シアターギルド」を招き実現。イベント期間は10日までの3日間で、初日は約90人が最先端の技術に触れながら迫力ある音声で映画を楽しんだ。

 

同町の地域おこし協力隊として喜界島観光物産協会で働いている谷川理さん(39)が企画。谷川さんが以前勤めていた会社の元上司で、イベント企画会社を運営している柴田廣次さん(61)と昨年末から打ち合わせを重ねて実現した。

 

サイレントシアターは無線通信機能付きヘッドホンを使い、最大100人が同じ音声を聞きながら映画を鑑賞する上映システム。ヘッドホンの使用により周囲の音を気にせずに映画を楽しめるほか、観客以外には音が聞こえないため上映中も窓や扉を開放して換気が可能という。

 

シアターギルドは同システムで特許を取得し、昨年6月に東京都渋谷区に映画館をオープン。新型コロナウイルスで映画業界が打撃を受ける中、新しい映画鑑賞の形として注目を集めている。

 

受付でヘッドホンを受け取った来場者は、音量の調整方法について説明を受け、思い思いの場所で大画面での映画を楽しんだ。島外では映画館によく足を運ぶという30代女性は「ヘッドホンを着けての映画鑑賞は初体験。音もよくて映画に集中できた。島では映画が身近ではないので、子どもたちへの無料上映もいい取り組みだと思う」と話した。

 

期間中の上映作品は1970年に公開された第二次世界大戦時の恋愛映画「ひまわり」や、2020年に話題となった「83歳のやさしいスパイ」など4タイトル。高校生以下の無料上映も予定している。

 

主催者は「まだ席に余裕がある。予約不要なので多くの人に足を運んでほしい」としている。