伝統のふり茶体験も 島っ子たちが名所案内 伊仙町阿権

2023年02月10日

地域

集落内を案内する阿権小の児童=5日、伊仙町阿権

【徳之島総局】伊仙町立阿権小学校(曽田巌校長)の児童らが地元の観光スポットを案内する「島っ子ガイド」(町きゅらまち観光課主催)が5日、同町の阿権集落一帯であった。同小3~6年生の児童8人が町内からの参加者14人を集落内の名所8カ所に案内。希望者は町指定文化財の「ふり茶」も体験して集落の魅力をふんだんに味わった。

 

島っ子ガイドは児童らが地域について学ぶとともに、観光客を案内するガイドの育成につなげることが狙い。2016年度に総合的な学習の授業の一環として始まった。

 

ガイドコースには集落内のヒカンザクラの並木や、阿権川の渓谷、阿権神社や樹齢300年といわれるガジュマルなど8カ所を設定。約2時間かけて巡り、児童らは各名所にまつわるクイズを出題して、それぞれの魅力を分かりやすく紹介した。

参加者にふり茶を振る舞う平さん(右)=5日、伊仙町阿権の前里屋敷

昭和初期の風情を残し集落のシンボルとなっている古民家「前里屋敷」では、集落在住の平陽子さん(72)の指導で玄米茶を茶せんで泡立てて味わう「ふり茶」を体験。まろやかな口当たりと芳香を茶菓子とともに楽しんだ。

 

ふり茶体験に参加した幸多麗さん(伊仙小5年)は「普通のお茶と違って粘りがあって香りも広がっている。お菓子との相性も良くておいしい」と笑顔。祖母の武子さん(67)は「昔は隣近所でもふり茶を飲んでいた。懐かしくてほっとする味」と感慨深げに話した。

 

ガイドを務めた元山智喜君(6年)は「元気にはきはきと、ジェスチャーを加えて話すように工夫した。参加者にも喜んでもらえてうれしかった」と自身の仕事ぶりを振り返り、「今の時期はヒカンザクラが見ごろ。ぜひ阿権に遊びに来て」とPRした。