古銭作り楽しむ 琉球王国時代の「世高通宝」 親子連れでワークショップ 喜界町

2023年02月24日

地域

琉球王国時代の古銭作りを体験する参加者=19日、喜界町中央公民館

琉球王国時代に流通していた古銭「世高通宝(せこうつうほう)」を作るワークショップが19日、喜界町中央公民館で開催された。町内の親子連れなど35人が参加。歴史的に喜界島との関わりも深い琉球の歴史に思いをはせながら古銭作りを楽しんだ。

 

世高通宝は、琉球王国第一尚氏王統第七代王・尚徳王が15世紀半ばに発行した貨幣。尚徳王は1466年、喜界島平定のため、自ら約2千人の兵を率いて喜界島に遠征したことでも知られている。

 

イベントは、沖縄県立博物館友の会(仲間孝蔵会長)の主催で、琉球王国第2代国王の尚巴志王即位600年記念事業の一環として開催。沖縄県外では唯一、世高通宝を発行した尚徳王との関わりが深い喜界島で開かれた。

 

喜界島と琉球との関わりなどについて解説する山本学芸員=19日、喜界町中央公民館

ワークショップでは、沖縄県立博物館・美術館の山本正昭主任学芸員が、琉球王国の歴史と喜界島との関わりや、世高通宝などについて解説。喜界島と琉球王国との密接な関わりについて分かりやすく説明した。

 

歴史などについて理解を深めた参加者らは、鋳型にスズと鉛の合金を流し入れて世高通宝を作り上げる作業を体験。固まった貨幣をやすりなどを使用して研磨、丁寧に形を整え、直径約20㍉の古銭を再現していた。

 

真剣な表情で作業に取り組んでいた喜界小学校6年の吉田ふたばさん(12)は「お金を作るのは少し難しかったけどきれいにできて楽しかった。歴史も少し分かった」と笑顔で話した。