地元の良さ再発見を 環境文化学ぶ地域塾開講 知名町住吉

2023年07月29日

地域

開講した地元の環境文化を学ぶ「住吉地域塾」=26日、知名町

地元の環境文化を見詰め直し、地域づくりにつなげる知名町住吉集落の「住吉地域塾」(住吉子ども育成会主催)の開講式が26日、同集落の住吉地区振興センターであった。小学生から一般まで37人が受講。式後に文化講演会があり、同集落の地名伝承や沖永良部島全体で約150年前に途絶えた「シニグ祭り」について学んだ。

 

郷土に誇りを持ち、心身共にたくましい子どもを育成する活動を支援する県の「かごしま地域塾推進事業」助成を受けて初開催。2024年3月まで、高齢者への聞き取りや集落散策、地域行事への参加などを通して学び、地域にとって大切で次世代に伝えていくべき「地域遺産」を記した集落マップを作成することを目標としている。

 

開講式で、同育成会の外山利章会長(51)は「私たち青壮年団も子どもたちと一緒に楽しみながら島の文化に触れ、学び、地域の良さを再発見したい」と話した。

 

文化講演会では和泊町歴史民俗資料館の伊地知裕仁専門員が講演。「住吉は沖永良部島の昔の文化、島民の信仰にまつわる場所が残っている貴重な場所」として、集落にある暗川(クラゴー)、大戸神社、シニグドー跡、ヌルグマタなどにまつわる歴史や伝承を紹介。1870年まで島全体で行われていた豊穣や厄払いの意味を込めた「シニグ祭り」については、記録に残されている概要を解説した。

 

続いて、知名町生涯学習課の宮城幸也さんが集落にある「トゥールバカ」の調査成果を報告した。