大島海峡でドローン実験 県内外5社連携し検証 瀬戸内町

2022年11月25日

地域

津波発生時の避難行動などを考えた防災ワークショップ=16日、与論町の与論中

森建設(鹿児島市)やANAホールディングス(東京都)など5社と、瀬戸内町が取り組むドローン配送プロジェクトチームは24日、同町古仁屋~加計呂麻島押角と古仁屋~与路島の2路線で実証実験を行った。関係者が見守る中、古仁屋のスーパーで購入した総菜を目的地に運ぶため、ドローン2機が大島海峡上空を飛行した。

 

ドローンを活用したビジネスモデルを生み出そうと、県が募集した補助金制度「地域課題解決型ドローン実証実験」に今年採択された企画。離島の自宅に、いつでもどこでも調理したての総菜をドローンで配送するサービスの確立を目指している。

 

5社は森建設(全体管理)、ANAホールディングス(ドローンの遠隔運航)、石川エナジーリサーチ=群馬県(ドローンの機体提供)、エアリアルワークス=鹿児島市(映像コンテンツ制作)、双日九州=福岡市(離発着場所のAI自動監視カメラ)と、瀬戸内町が連携。21日から町内で準備が行われ、24日は実際に2機が配送する場面がメディアに公開された。

 

24日は晴天で風速は1・5㍍。ANAのドローンは、Aコープ瀬戸内店の屋上から加計呂麻島の旧押角小中学校(約6㌔㍍)を、約500㌘の総菜を乗せ飛行。50㍍上空を時速36㌔で飛び、約11分かけて無事到着した。2便目の復路では電波通信状況の影響で飛び立てないアクシデントもあった。

 

石川エナジーリサーチが開発したのはガソリンエンジンを組み込んだハイブリッドドローン。与路島まで約32㌔の飛行距離を約45分かけて飛行予定だったが、古仁屋を離陸後、約2・7㌔の地点で制御不能となり大島海峡に落下した。同社によると、安全性を図り海上で補助船が伴走していたが、人や船舶に当たってはいない。同社は「今後原因を究明し、開発の精度を上げていく」と話した。