奄美の旅の思い出集めて 日本郵便が風景印台紙配布 ロードキル啓発も
2025年03月29日
地域

奄美野生生物保護センターであった風景印台紙の贈呈式=28日、大和村
日本郵便は4月1日から、奄美群島内にある62の郵便局(簡易郵便局を除く)と環境省が整備した3施設で風景印を集める「旅の思い出」台紙を配布する。奄美大島・徳之島の世界自然遺産登録を機に観光客が増加したことから、風景印収集をスタンプラリーとして楽しんでもらおうと、新たに台紙を作成。アマミノクロウサギの交通事故多発道路情報なども掲載し、ロードキル防止の啓発も図る。
風景印は、郵便局の所在する地域の名所や旧跡などをデザインした通信日付印。85円以上の切手や、はがきに押印する。奄美群島では、2019年5月にすべての郵便局に風景印を配備。生き物や風景、文化財や特産品など多様なデザインで、群島内の中学生の案が採用されたものもある。
今回新たに作成された台紙は全5種類。奄美大島、徳之島版の台紙は環境省が協力し、アマミノクロウサギのロードキル防止を呼び掛ける内容に。このほかの島々は観光協会の協力を得て、観光スポットやグルメ情報を掲載した。
観光客だけでなく、地域住民にも島々を巡ってもらい、改めて奄美の魅力を見つめ直すきっかけにしてもらうことも狙いの一つ。A4用紙を三つ折りにしたサイズで、風景印を押すページは5ミリ方眼と白紙の2種類があり、思い思いに書き込むこともできる。
28日は大和村の奄美野生生物保護センターで台紙の贈呈式があり、日本郵便の中島秀一奄美地区統括局長は「地域の方や観光客も含めてロードキル防止の啓発活動に一緒に取り組んでいきたい」と語った。
環境省奄美群島国立公園管理事務所の広野行男所長は「行政機関だけでなく民間も同じ思いを持って遺産の価値や生物多様性を守っていくということは非常にありがたく、重要な取り組みになる」と話し、今後の連携強化も期待した。
郵便局以外の台紙の配布場所は、大和村の奄美野生生物保護センター、奄美市住用町の奄美大島世界遺産センター、徳之島町の徳之島世界遺産センターの3カ所。日本郵便は「配布する台紙には限りがある」としている。