尼崎で奄美の植物展 友好50年の節目記念 象徴のガジュマル巨木も展示

2022年06月12日

地域

奄美の植物の見物を楽しむ来園者=11日、兵庫県の尼崎市都市緑化植物園(提供写真)

兵庫県の尼崎市都市緑化植物園で10日から、「奄美~島を彩る植物展」が開催されている。同園が設けた温室に旧名瀬市(現奄美市)から南国植物が寄贈されて以来続いている両市の友好50年の節目を記念した企画。11日は奄美とオンラインでつないだ講演や、島唄、踊りなどのイベントが催され、多くの人でにぎわった。

 

同植物園によると、温室を整備した1972年、展示植物がなかなか集まらず困っていたところ、名瀬市からガジュマルやソテツなど、コンテナいっぱいの植物が贈られた。中でもガジュマルの巨木は奄美と尼崎の友好のシンボルとして大切に育てられ、多くの来園者に親しまれている。

 

11日は奄美市立奄美博物館学芸員の平城達哉さん(31)がオンラインで講演し、世界自然遺産に登録された奄美の希少な植物などを紹介。来園者らに「奄美ゆかりの人、興味のある人、奄美に来ていろんな植物を見てください」と呼び掛けた。

 

同植物園の川嶋暢子さん(46)が案内する植物展のガイドツアーが行われたほか、温室前で奄美関係者らが島唄や踊りを披露。黒糖などの郷土菓子や特産品のスモモの販売もあり、来園者らでにぎわった。12日もガイドツアーや郷土芸能のイベントを予定している。

 

川嶋さんは「尼崎は奄美出身の人が多い街。懐かしく感じて、喜んでもらえたらうれしい」と話した。

 

植物展は19日まで。アダンやヒカゲヘゴなど奄美の植物のほか、熱帯果樹のマンゴーや、島野菜の島ラッキョウ、タイモなどを展示。14日まで平城さんの希少な動植物の写真展も開催されている。