島の未来へ寄付呼び掛け 「かごしま島嶼ファンド」設立へ 準備会が会見

2025年04月17日

地域

かごしま島嶼ファンド設立の目的を説明、寄付への協力を求める準備会のメンバーら=16日、鹿児島市

県内の有人離島28島をつなぎ、地域の活性化に向けた取り組みを支援する一般財団法人「かごしま島嶼(しょ)ファンド(基金)」の設立を目指す準備会のメンバーが16日、鹿児島市の県庁で記者会見を開き、今後の活動などについて説明した。準備会では8月下旬の財団設立に向け、18日から1000万円以上の寄付と、1000人以上の賛同者を公式ホームページなどで募集。「一緒に島の未来を応援しませんか」と寄付、賛同を呼び掛けている。特定地域の支援を目的とした財団の設立は県内初。離島対象の取り組みとしては全国初という。

 

準備会は県内の離島などで活動する有志25人(うち県外5人)を中心に組織、2019年から財団設立を目指してきた。会見には鹿児島離島文化経済圏発起人代表の山下賢太さん(薩摩川内市・甑島)ら準備会メンバー7人が出席。奄美からもNPO法人ディ!代表の麓憲吾さん(奄美大島)や元奄美群島振興開発基金理事長の本田勝規さん(同)らが参加した。

 

山下さんは「人口減少など多くの課題を持つ離島は未来の日本の縮図。島に生きる人たちの暮らしとその挑戦を応援し、人が減り行く社会でも頼りあい、つながりあって、やさしいお金が巡る仕組みを鹿児島から全国に発信していきたい」と財団設立の目的を説明した。

 

準備会では、財団設立に必要な拠出金300万円と活動支援のための財源の計1000万円以上を目標に7月18日までの3カ月間、鹿児島を中心に全国から募る。期間中は鹿児島市でトークイベントを開き、活動について広報する。

 

寄付は一口3000円から受け付け、50万円以上については別途対応する。準備会によると、既に個人や団体・企業などからも複数の問い合わせがあり、山下さんは「できるだけ多くの方に賛同してもらえるよう活動していきたい」としている。

 

目標を達成した場合は8月下旬に財団を設立。10~11月をめどに支援する活動を公募する。応募のあったプロジェクトへの資金援助額については、設立後、設置する審査会で内容などについて審査。支援額については期間中に集まる寄付金の総額なども考慮し決定する。

 

具体的な支援としては▽自然環境▽文化教育▽産業振興―の3テーマを挙げ、持続可能なプロジェクトへの伴走支援を軸とした資金援助を計画。一定額以上の寄付でテーマや使い道を指定することができる「冠基金」も設定する。また、災害時の緊急支援なども想定している。