持続可能な住みよい集落へ コロナ後の新たな地域づくり模索 知名町住吉

2023年03月21日

地域

これまで話し合った内容を共有した最終報告会=4日、知名町住吉(提供写真)

【沖永良部総局】知名町は2022年度、住吉集落(奥村吉夫区長、住民162世帯)を対象に「コロナ禍・後を見越した新たな地域コミュニティ構築事業」に取り組んだ。4日は同集落の住吉地区振興センターで最終報告会があり、住民、町職員など約30人が参加。持続可能な住みよい集落にするため、年間を通して住民が話し合った内容を共有した。人口減少、高齢化の中、集落行事の工夫や花植えなどによる魅力化、U・Iターンを受け入れる住宅、雇用の必要性などさまざまな意見があった。

 

事業は新型コロナウイルス収束後を見据え、持続する地域づくりの仕組みを構築する目的で、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用。事業を受託したアネシス(鹿児島市)が資料分析やフィールドワーク、町内各種団体への聞き取り、アンケート調査、住民とのワークショップなどを進めてきた。

 

この日の報告によると、集落行事については「人と会う楽しみが感じられる行事」として敬老会を取り上げて議論。▽敬老会での参加確認を利用しての安否確認▽ゲームなど、より交流しやすい内容に▽式典を簡略化し、負担がかからないやり方に変更▽オンラインの活用─などの改善、工夫点が挙げられた。

 

持続可能な集落になるためとして「空き家活用・改修事業・住宅整備」をテーマに議論。▽空き家の把握、有効活用▽移住者の歓迎会の開催▽集落で雇用と求人の把握─などの意見があったほか、住みたくなる集落魅力化の一手として、花を増やす「花いっぱい運動」などの案が出された。

 

奥村区長(66)は「コロナ禍で人と人のつながりが希薄化する中、住民が集まって話し合えたこと自体が良かった。出てきた意見をすぐに実現することは難しいが、一歩でも半歩でも前進すればいいと思う」と話した。