GWも新ルール案試行 制度名称「住用町住民専用枠」に変更 三太郎線の夜間利用連絡会議

2023年03月21日

地域

三太郎線の車両規制に関する繁忙期の新ルール案について議論した連絡会議=20日、奄美市名瀬

夜間に野生生物を観察するナイトツアーの増加に伴い、車両規制が導入された奄美市住用町の市道三太郎線周辺に関する夜間利用適正化連絡会議の会合が20日、奄美市役所であった。大型連休など利用が増える時期への対応として2022年度に行った「地元枠」の設定と、「1グループであれば同時に2台まで通行を可能とする」新たなルール案の実証実験について事務局が報告。会議では通年での利用傾向の把握と、より多くのデータによる効果検証が必要とし、今年のゴールデンウイーク(GW)も新ルール案の試行を継続することを決めた。

 

三太郎線周辺は、アマミノクロウサギなどが多く出没するナイトツアーの人気スポット。車両規制は来訪者の増加に伴う希少動物のロードキル(交通事故死)防止などが目的。環境省や奄美市、観光、自然保護団体、住民代表ら官民でつくる夜間利用適正化連絡会議や予約制、台数制限などを21年10月に導入した。

 

新ルール案は地元住民やガイドからの要望を受けて検討。三太郎線の利用が集中する大型連休や年末年始などの繁忙期に、▽住用町民限定で1日1組の「地元枠」の設定▽現行ルールでは30分ごとに1台の通行としている車両台数を、多人数に対応するためグループであれば同時に2台まで通行可能─とする内容。

 

22年度はシルバーウイーク(9月17~25日)と年末年始(12月27日~1月9日)の2回、実証実験を行った。その結果、地元枠についてはインターネットでの予約に不慣れな人へのサポートや、ルールに関する丁寧な周知、より分かりやすい制度名称の必要性などが課題として示された。

 

1枠2台利用については「2台利用に起因した不満などは今のところ上がっていない」と報告。出席者から「観光客は道に不慣れだったり、車の運転に慣れていない人もおり、2台で連なって進むのは事故の懸念もあるのでは。そうしたことも考慮して検討を」といった意見があった。

 

会議では今後の実証実験の実施に当たり、ルール設定の経緯や趣旨を含め丁寧な周知に努めるとともに、誤解が生じにくいよう「地元枠」との制度の名称を「住用町住民専用枠」に変更する。またインターネットでの予約が難しい人への電話でのサポートや、窓口での予約補助にも引き続き取り組む方針を確認した。