放置の問題点や有効活用学ぶ 空き家対策相談会、奄美市で 所有者、相続人ら50人参加

2024年01月07日

政治・行政

空き家の所有者や相続人を対象に開かれた個別相談会=6日、奄美市名瀬

空き家や持ち家の所有者を対象とした講演・相談会が6日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。市内の空き家の所有者や相続人ら約50人が参加。専門家の講演や、弁護士、司法書士などによる個別相談会があり、空き家放置の問題点と、有効活用や解体などの具体的な方策を学んだ。

 

イベントは「新春!慌てる前の空き家対策!~家族と地域のために」と題して奄美市が主催。個別相談会には島内外の弁護士、司法書士、税理士、不動産事業者、遺品整理士、建築士、福祉事業者らが協力して相談ブースを設けた。

 

NPO法人「結の夢来人(むらびと)・絆プロジェクト」理事長で、遺品整理士の有馬法久さんが「終活・生前整理」をテーマに講話。「終活はいつでもできると思うかもしれないが、大変で、心の整理にも時間がかかる」とし、普段から相続人らと話し合っておくことの重要性を説いた。地域活性化にもつながる空き家の有効活用事例も紹介した。

 

奄美市の担当職員が、空き家バンクや危険空き家等除去助成金、空き家所有者と不動産事業者とのマッチングなど、市の関連施策・制度を紹介した。

 

市内で空き家を所有する男性(75)は「子どもがいないため、後々に相続などで問題が生じないよう、何とか自分の代で建物と土地を処分し、すっきりさせたいと思い参加した。専門家に相談し、方向性を定められたら」と話していた。

 

市プロジェクト推進課によると、市内の空き家は2019年の調査時点で1千件を超え、老朽化による地域の安全性や景観への影響などが課題となっている。

 

同課の川畑良二課長は「空き家は長く放置すれば負の遺産となるが、適切な対応や活用次第で、所有者とその家族、さらには地域にとっても望ましい形になる。まずは知ってもらうことが一番。行政として今後も、空き家対策に関する情報発信に努めていきたい」などと話した。