沖永良部でZ世代ツーリズム 学生20人、島暮らしや文化体験 JALとTABIPP

2022年12月04日

地域

新納さんと前田さんの沖永良部民謡の演奏を聞く学生ら=3日、知名町

日本航空(東京都)社内ベンチャーチーム「W│PIT」と旅を広める事業を多角展開するTABIPPO(同)学生支部の共創企画「Z世代ツーリズム沖永良部島」は11月29日から同島で行われている。東京都を中心とした学生20人が来島。島暮らしや島民との交流を楽しみ、3日は民謡・三味線演奏体験で同島の文化に触れた。12月5日まで。

 

Z世代は1990年代半ばから2010年代前半までとされ、生まれた時からインターネットが普及している世代。同ツーリズムは昨年度喜界島で開催し、今回はZ世代が関心のあるSDGs(持続可能な開発目標)や観光教育に取り組む沖永良部島を選定。学生が過ごし、感じた魅力を同世代に向けてSNSで発信、PRしてもらうことで、新たな観光需要の創出を図ることを狙いとしている。

 

この日の民謡・三味線体験は知名町の瀬利覚防災センターであり、同町の歌い手・前田綾子さん(85)と三味線演奏で新納安榮さん(86)を講師に招いた。前田さんと新納さんは「永良部の子守唄」「いちきゃ節」を披露した後、唄の意味や自身の民謡への思いなどを話して聞かせた。後半は「永良部百合の花」の三味線演奏と踊り体験があった。

 

吉川奏音さん(20)=津田塾大学2年=は「東京では時間の流れを早く感じるが、ここは島の人が温かく、ゆったりしたいい時間を過ごせている」と充実した様子。

 

全国各地域の活性化を応援するため、客室乗務員で構成する「JALふるさと応援隊」で、この日の体験に参加した齋藤美羽さん(26)は「前田さんの話を聞き、人と人とのつながりを大切にしている前田さんの思いと唄の意味が一致しているのがすてきだと思った」と話した。