離島の共通課題探る 特別支援教育テーマに交流 オンラインで奄美含む5島参加

2023年05月24日

地域

オンライン交流で徳之島の特別支援教育の現状を伝える参加者=21日、徳之島町井之川

【徳之島総局】全国障害者問題研究会鹿児島支部主催の「離島の特別支援教育を語りつながる交流会2023」が21日、県本土と県内5離島をオンラインで結び開催された。奄美群島からは喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島から参加があり、徳之島会場のみらい創りラボいのかわ(徳之島町井之川)では学校関係者や保護者など15人が出席。各島の特別支援教育の現状などを報告し合うとともに、共通の課題として情報共有を図った。

 

オンライン交流会は22年に続き2度目。前回開催時に立ち上げた、離島間の連携強化のためのプロジェクトチーム「離島にこそINCLUSIVE(あたりまえの)教育を!ミーティング」(略称・離島ミーティング)とともに開催。県本土と屋久島、奄美群島4島から合計約100人が参加した。

 

意見交換では各島の参加者らが「発達外来のオンライン受診」「保護者の送迎への支援」「中学卒業後にも学べる場が必要」などと要望。徳之島の会場からは「支援員の時給アップ」「学校行事での送迎タクシーの利用」などの成功例も報告された。

 

徳之島会場の世話人を務めた亀津小学校の勇富久代教諭は「離島共通の課題は特別支援教育の環境が不十分なこと。子どもたちが島を離れずに必要な支援が受けられるように今後も年1回のペースで交流会を開催したい」と話した。

 

交流会には東京都立大学の河合隆平准教授もオンラインで参加。「インクルーシブ教育と発達保障~離島のあたりまえとは何か」と題し、昨年4月に文部科学省が通知した「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」が教育現場に及ぼす影響について講話した。