黒糖焼酎ですてきなシマに 新元さん講演、香りの利き酒も あまみならでは学舎

2022年08月28日

地域

黒糖焼酎の魅力を語った新元さん(右)と、香りの利き酒に挑戦する受講者ら=27日、奄美市名瀬

県立奄美図書館主催の生涯学習講座「あまみならでは学舎」が27日、奄美市名瀬の同館であった。同市内で飲食店を経営するCOCORO代表取締役の新元淳平さん(45)が「愛され続ける奄美黒糖焼酎」をテーマに講演。参加者53人に酒類の基礎知識や焼酎の歴史を解説し、その魅力を伝えた。

 

新元さんは、焼酎をはじめとした酒類全般の分類や各特性を解説したほか、減圧・常圧などの蒸留方法による風味の違いや家庭でおいしいお湯割りを作るための温度の計算式なども紹介。

 

奄美が歩んできた歴史と併せて、戦後の日本復帰時に酒税法の特例通達によって黒糖を使っての製造が奄美群島に限り認められたことなど、黒糖焼酎が奄美だけで製造されるようになった背景も分かりやすく解説した。

 

また、会場には蒸留・貯蔵方法が異なる4種類の黒糖焼酎が用意され、受講者は香りだけで銘柄を当てる「香りの利き酒」にも挑戦した。

 

新元さんは「黒糖焼酎は奄美が誇るお酒。酒造りへの感謝とともに黒糖焼酎が世界に羽ばたき、口にした皆が笑顔になってくれたら、奄美は世界一のすてきなシマ(地域)になる」と受講者へ語り掛けた。

 

夫婦で参加した桜井孝祐さん(32)は「黒糖焼酎がなぜ奄美群島だけで製造されているのか、その理由や経緯を学ぶことができた。歴史を知って飲む今夜の焼酎は、きっと今までよりもおいしいと思う」と笑顔で話した。