91柱のみ霊慰める 和泊町国頭で戦没者追悼式

2022年08月03日

地域

追悼式で献花する参列者=1日、和泊町国頭

和泊町国頭(棚窪時雄区長、377世帯)の戦没者追悼式は1日、同集落の「表忠碑」前で執り行われた。遺族会をはじめ住民40人が参列。日露―太平洋戦争の戦没者91柱のみ霊を慰め、不戦の誓いを新たにした。

 

碑は1938年建立、79年に再建された。追悼式は遺族会会員の減少などで一時途絶えたが、戦後70年の2015年に再開した。

 

式では参列者全員の献花の後、棚窪区長が「令和という新しい時代を迎えた今、改めて戦争の悲惨さと平和の尊さを深く心に刻み、次世代に継承していく責務を果たし、この世界が恒久平和であることを祈る」と式辞。

 

遺族会を代表して福島ミネさん(85)は「91柱がそれぞれの家庭に悲しい気持ちを残したままだが、強く生きることが戦没者の皆さんへのお返しであると感じる。島の皆さんに支えられながら強く生きていきたい」と話した。

 

追悼式再開時の区長だった田仲稔さん(74)は「追悼式は戦没者の慰霊はもちろんだが、私たち戦争を知らない者にとって、不戦の誓いをする機会。今後も続けていってもらいたい」と話した。