ANAもドローン実験へ 瀬戸内町の3離島 11月予定、課題洗い出し

2022年07月16日

地域

「IDプロジェクト」で使われる予定の「ハイブリッドドローン」(石川エナジーリサーチ提供)

瀬戸内町と国内航空大手のANAホールディングス(東京都)など民間企業5社は15日、瀬戸内町の離島3島でドローンを使った日用品の配送実験を開始すると発表した。瀬戸内町では6月に日本航空(JAL)が同様の実験を開始している。航空会社などの相次ぐ実証実験について、離島の中の離島を抱える瀬戸内町は「大変ありがたい。離島の買い物弱者の課題解決になれば」と話している。

 

実験に取り組むのは森建設(鹿屋市)、エアリアルワークス(鹿児島市)、ANAホールディングス、石川エナジーリサーチ(群馬県)、双日九州(福岡市)の5社と瀬戸内町で構成する「ID(いつでもどこでも)プロジェクト」。鹿児島県が公募していた「地域課題解決型ドローン実証実験」に6月、採択された。予算は700万円で来年3月まで。最初の実証実験は11月初旬を予定している。

 

加計呂麻島や請島、与路島での高齢化による小売店の需要の減少や担い手不足、台風などで海上交通が滞る課題を、ドローンで解消しようとするもの。ドローン産業の発展を目指す企業が加盟する「鹿児島ドローンネットワーク推進協議会」(鹿児島市)が主体となり、事業確立を目指す。

 

実験では、ANAなどが複数のドローン機体で飛行を計画。ANAは独自開発のシステムを活用した東京からの遠隔運航での配送の自動化を試みる。双日九州は、AI自動監視カメラによるドローンの離発着場の無人化に取り組む。石川エナジーリサーチは、エンジンで発電する「ハイブリッドドローン」を国内で初めて実験し、長距離飛行や配送エリア拡大に向けた取り組みを目指す。

 

共同発表した6者は「将来のサービス化を見据えた新たな課題の洗い出しをこの実証実験を通して実施する」としている。